医師を続けていても、将来性はないのかな?
稼げなくならないか心配…
医師として仕事を続ける上で、将来性について考える機会がありますよね。
現在の医療現場では、新専門医制度の導入や医学の進歩によって、日々様々な変化が起こっています。
この先の生活が厳しくなる時代も、いつか来るかもしれません。
では今後、実際に医師の将来性はないのでしょうか。
この記事では医師の将来性が今後なくなる理由や、稼げなくなる前にやるべき行動について解説していきます。
この記事を読めば、この先ので余裕を持った選択ができるコツも知ることができますよ。
ぜひ最後までご覧ください
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医師に将来性はない?医療業界の現状4選
医師に将来性はないと言われる理由には、業界の現状が関わっています。
ここでは医師の現状を、4つの観点から解説します。
現在の医師の平均年収
現在の医師の平均年収は、厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」で明かされています。
男女ともに医師の年収は約1,000万円。
令和2年~令和3年の年収は、1,000万円~1,500万円で前後している状態です。
一般企業から見れば、充分な収入だと考えられるでしょう。
しかし他の企業が賃金値上げをしているのに、医師の収入には変化がないと言えます。
近年の物価高騰と増税は、止まる気配がありません。
つまり収入が変わらない分、手取りは確実に減っている状況なのです。
手取りが減少傾向にあるから、将来が不安になっちゃうんだね
見かけの年収は変わっていないように見えても手取りが減っている以上、今後の働き方を見据えて転職を選択する人が増加しています。
現在の医師数と患者数
まず現在の医師数についてですが、厚生労働省の調べで次の結果となっていました。
令和2年12月31日現在における全国の届出「医師数」は33万9,623人で、「男」26万2,077人(総数の77.2%)、
引用:厚生労働省「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
「女」7万7,546 人(同22.8%)となっている。
令和2年届出医師数を平成30年と比べると1万2,413 人、3.8%増加している。
また、人口10 万対医師数は269.2 人で、前回に比べ10.4 人増加している。
医師の合計数を確認すると、平成30年から比べて増加傾向に。
また、厚生労働省は今後の日本人口を「2040年の人口の動向について」という資料で明かしています。
【2040年の人口の動向】
現代で少子化が進んでいる影響から、2040年ごろには高齢者の数は一旦落ち着く見込みです。
つまり日本人の総人口減少にともなって、患者数も減少することが予想されます。
患者数が減るということは医師で分け合っているパイが減るということ。
取り分が減る可能性が高いため、将来性がないと感じるのも納得ですね。
さらに、医師の数は国が管理しているため、よほどのことがない限り減ることはありません。
つまり今後の未来では、患者が少なく医師が溢れる時代がくる可能性があるのです。
医師のニーズが変わってくる可能性があるんだね…!
今すぐ劇的に変わることはないですが、将来的に「医師が選ばれる時代」が来ることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
一人前になるための必要時間数
地域医療の改善を図ることを目的に含み、2019年から新専門医資格制度の運用が開始されました。
この新制度の影響を受け、さまざまなシーンで問題視される事象が起こっています。
- 学会活動や時間、費用ともに負担が大きくなった
- 子育てをしながらの資格維持が困難
- 学会への参加が義務になってきている
- 評価や手続きが盆雑で時間がかかりすぎる
- 狭い領域にしか手がでないようになってしまった
参照:m3.com会員医師調査「新制度運用開始から5年、どう変わった?」より
資格を取得するためにも単位の獲得が必須であり、維持にも苦労が必要になります。
現場で働く医師からは、専門医資格の取得や維持にかかる時間に対し不満の声が。
実際に総合内科専門医の更新規定を例として、維持がどれだけ大変かを見てみましょう。
総合内科専門医の更新に関する規定
引用:一般社団法人日本内科医学会「認定更新に関する規定-総合内科専門医」
- 総合内科専門医は「認定内科医」と「総合内科専門医」の両方を更新しなければならない.
- 認定更新に必要な単位数は75単位とする(認定内科医25単位+総合内科専門医50単位=75単位).
- 単位取得と更新料(5,000円)の納入により認定更新となる.
- 総合内科専門医50単位のうち25単位以上は日本内科学会が企画したものへの参加(論文掲載も含む)により取得したものとする.従って75単位のうち50単位は日本内科学会主催企画での単位取得となる.
- 上記の25単位の中には,日本内科学会総会・講演会,A・B・Cセッション(生涯教育委員会主催生涯教育講演会),内科学の展望のいずれかに1回以上参加した単位が必ず含まれていること.
- 期間内(5年)にセルフトレーニング問題による単位を1回以上取得すること.
- ※ 毎年,年1回の企画となります.ご受講のタイミングにつきましてはご注意ください.
- 総合内科専門医は他学会(指定15学会)への参加も自己申告により更新の単位として認められるが上限は25単位とする.対象企画は下方「日本内科学会以外の企画」に掲載.
資格を更新するためには、単位取得のための論文掲載・学会参加が必要となります。
また更新には費用がかかり、単位数の管理も個人で行わなければなりません。
資格を取得できたら終わりではなく、あくまでも維持が出来て初めて「専門医」として長く活躍できます。
せっかく取った資格なのに、更新が難しく手放す人も…
専門医維持の難しさが、医師が将来性がないと言われる理由のひとつとなっています。
医療AIの現場進出
医療AIの現場進出も、医師に将来性がないと言われている理由のひとつです。
海外ではすでにAIによる診断の補助が始まっています。
AI技術の進歩はめざましく、日本の医療現場でもAIが登場する可能性は否定できません。
具体的な登場の仕方としては、症例の診断をAIに任せることが考えられます。
将来的にAIが活躍する時代がくるから、将来性がないと言われるんだね
近い将来、医師の既得権益は侵食されていく可能性が高いでしょう。
医師の将来性がないと言われて稼げなくなる理由4つ
医師は将来、本当に稼げなくなるの…?
医師の将来性がないと言われるのには、次の4つの理由があります。
ここから分かりやすく解説します。
保険点数の改正によって収入が減る
保険点数の改正によって収入が減少傾向にあるのも、医師の収入が減っている要因です。
診療報酬については、薬価は年に1回、その他は2年に1回の見直しが行われています。
国民の医療費負担の引き下げのため、毎回の改正で点数は減少しているのが現状です。
今後も点数が上がる可能性はないに等しく、現在自費負担となっている部分も保険適用になる可能性があります。
将来的な働き方によっては、今後医師として稼ぐのが難しくなるパターンも…
今から新しい働き方を視野に入れるておき、万が一の備えをしておくことがおすすめです。
働き方が多様化した影響で若手医師の離脱がある
一昔前まで、医師の王道の働き方は医局へ所属し「保険診療一本で食べていく」というものでした。
しかし現在では働き方が多様化し、若手医師は稼ぎやすい美容診療へ進むケースが増えています。
加えてQOLの高い眼科、皮膚科、麻酔科へ転科することもあり、メジャー科に若手が少ない状況も。
人手不足に陥った診療科では、残った医師の業務負担が増えていくケースが多発しています。
仕事は増えてもお給料は変わらないことがほとんど…
診療業務に見合った報酬が得られず、稼げないと考えられる原因になっているようです。
地域医療の衰退化が懸念されている
地域医療の衰退化が懸念されているのも、医師が稼げなくなる原因になっています。
医局員として働くだけでなく、医局フリーとして医師を続ける人も。
その影響から、医師が自ら働く場所を選べるケースが増加しています。
また、医療業界の最新情報が、自然と都市部に集まりやすい傾向も。
理由として、各分野の権威がある医師が都心に集中していることが挙げられます。
キャリアアップを目指す若手医師にとって、都心は魅力的な条件が揃っているのです。
一方で各地(特に僻地)には、医師が不足する状況が生まれやすくなります。
都心が医師激戦区になって、稼ぎにくくなるんだね…!
働く場所が選べることは医師にとってメリットでもありますが、高収入を得るには難しい環境なのです。
労働環境の悪化
医師の多くは稼ぎやすい美容医療や皮膚科、眼科といったマイナー科を選ぶことが多くなりました。
保険診療に関わる医師が減少したことにより、医局員の診療業務の負担は増える一方に。
また、時間内に診療が終わらずに長時間労働になるケースも。
特に資格取得に奔走する若手医師にとって、現在の労働環境は好ましくないものになっています。
現状から解放されることを望み、若手医師の離脱は増えていく傾向に。
結果マイナスのループが生まれてしまい、現状で保険診療に携わる医師は減少の一途をたどっています。
医師の将来性がないと言われる前にやるべきポイント
医師業を長く続けていくために、今からやっておくと良いポイントは次の通りです。
それぞれを詳しく解説していきます。
今のうちからバイトしておく
医師の中には、将来を見据えて今のうちに稼ぎ切りたいと考える人もいます。
稼ぐための方法として、アルバイトをして収入を増やすパターンも。
アルバイトの場合、医師の時給は1万円前後が平均です。
週1~2日、6時間の勤務であっても12万円ほどの収入を得ることができます。
加えて診療業務の内容によっては、より多い収入を得ることも可能です。
東京都の医師を対象とした求人をもとに、収入例をみていきましょう。
アルバイトの求人例
勤務日数 | 勤務時間 | 収入(円) | 業務内容 | |
Aクリニック | 週1日 | 13:30~17:00 | 50,000円/1回 | 外来のみ |
B病院 | 週1~2日 | 9:00~17:00(時間数は相談可) | 75,000円/1日 | 外来のみ |
C病院 | 月1回~ | 18:00~翌9:00(時間数は調整可) | 95,000円/1日 | 救急の当直 |
アルバイトの求人例
勤務日数 | 勤務時間 | 収入(円) | 業務内容 | |
Aクリニック | 週1日 | 13:30~17:00 | 50,000円/1回 | 外来のみ |
B病院 | 週1~2日 | 9:00~17:00(時間数は相談可) | 75,000円/1日 | 外来のみ |
C病院 | 月1回~ | 18:00~翌9:00(時間数は調整可) | 95,000円/1日 | 救急の当直 |
外来診察であれば時給1万円以上となり、専門性の高い分野や領域になるほど日給10万円を超えるケースも。
専門医資格やサブスペシャリティ資格を所持していれば、より高額な収入をアルバイトで得ることが可能です。
将来の具体的な想像が難しい場合には、収入を増やしておくのも大切だね!
今後どのような道を進むにしても、バイトでお金をためておくのは得策となるでしょう!
スキルや知識を身に付ける
将来のために、スキルや知識を身に付けておくことも大切です。
現在、医師としてアクティブに働く人の数は年々減ってきています。
働き方が多様化していることもあり、求められる医師の質に変化が表れているからです。
今後必要とされるのは、どんな場所や環境であっても臨機応変に対応できる医師とされています。
もちろん、時にはひとつの領域に特化することも大切でしょう。
しかし同じ知識を持っているのであれば、病院側は他分野にも精通している医師を欲しがります。
今からスキルや知識を身に付けておけば、今後働き口に困ることはなくなりますよ。
転職を行う
将来のために、転職を視野に入れることがおすすめです。
大学医局の場合、薄給もしくは無給状態になることも珍しくありません。
将来のお金の不安を解決するためには、労働環境の見直しも必要となります。
今より収入の良い病院に転職できれば、生活を安定させながら貯蓄等も可能に。
ただしやりたいことがある場合には、慎重な選択をすることが大切です。
将来の優先順位を決めてから、転職活動をするのが大事だよ!
後悔のない選択をするために、まずはやりたいことを見直していきましょう。
独立開業を目指す
今後のために、独立開業を目指すことも視野に入れていきましょう。
開業をすれば、働く場所に困る事もなくなります。
また、診療行為の調整を自分で行えるので、診療報酬の改正による影響を受けにくくなるとも。
病院を必要とする地域で開業をすれば、地域の患者さんの助けにもなります。
ただし、独立開業には費用負担が必要です。
診療科によって金額は異なりますが、最低でも1,500万円は予算として考えておきましょう。
診療に必要な機器は、リース契約で調達することも可能だよ!
早期に開業を目指す場合は、開業医をしている先輩医師などから情報を得るのもおすすめです。
転科して新たな知識を得る
転科して新たな知識を得ることも、視野に入れていきましょう。
携われる分野や領域が広がれば、将来の道を幅広く選択することができます。
専門的に携われる診療科が多ければ、開業や転職にも有利です。
特に専門性の高い診療科の専門医資格を取得しておけば、更なる高収入を目指すことも。
サイドFIREを目指す足がかりにすることも可能です。
自分の可能性を拡げて、できることからチャレンジしていこう!
医師に将来性がないなら?見据えるために見直すポイント
将来を見据えて行動する際に、重要となるのが「今後の自分がどうなっていたいか」です。
どのような医師になりたいかを、今一度確認しましょう。
ここからわかりやすく解説していきます
目指す医師像を整理する
まずは、自分の目指す医師像を整理していきましょう。
今の自分から、将来どうなっていきたいかを想像することから始めてみてください。
目指す医師像を定めるために必要な項目
- 労働時間や休日数
- 診療科、分野、領域
- 病院の規模や症例数
将来の明確な目標が見えれば、今後の働き方が自然と見えてきます。
働き方が定まれば、今の自分と将来を比較することも容易です。
自分の進むべき道筋を見据えよう!
自分の将来は自分できめる!くらいの前向きな気持ちで、状況の整理を行っていきましょう。
目指す医師像に近づくために必要なスキル・知識を洗い出す
目指す医師の姿が定まったら、目標のために必要なスキルや知識を洗い出しましょう。
必要な知識・スキルの見直し方
- どのくらいの経験が必要か
- どんな環境で働くのがベストか
- 専門医、サブスペシャリティなどの資格は必要か
洗い出す際には、より詳細な情報を集めることがおすすめです。
大まかな情報だけを頼りに行動すると、思わぬデメリットに出くわす可能性があります。
特に必要なスキル部分については注意が必要であり、見落としがあるとキャリアがとん挫するケースも。
必ず詳細を明確にして、行動するように心がけましょう。
働き方が自分に合っているかを確認する
必要な知識やスキルの洗い出しが終わったら、働き方が自分にあっているかの確認をします。
現状で新しいスキルの習得が難しい場合、今後の労働環境を変えなければなりません。
転職や転科などの選択を視野に入れ、納得のいく方法を検討していきましょう。
ただし、全ての要件を満たす環境は稀であると考えるのが大切です。
自分の中で優先順位をつけ、視野を広く持つようにしましょう!
医師に将来性がない?視野を広くもつためには比較・検討がおすすめ!
将来性を担保するためには、どんな選択が最善なんだろう…
将来を考えたとき、なかなか最初の一歩を踏み出すのは難しいですよね。
だからこそ、視野を広く持つことが大切です。
「選択は自由にできる」ということを念頭に、さまざまな方法を比較してみてください。
比較・検討をすることで、自分の可能性を潰すことはなくなります。
転職サイトでは、自分に合った働き方を選べる病院を多く扱っています。
焦って動き出す前に、より多くの情報を仕入れておきましょう!
医師転職ドットコム
なんといってもおすすめは医師転職ドットコムです。
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ここだけの話、他の転職サイトでは断られてしまうような相談にも親身になってのってくれます。
相当難しい条件の転職や相当医局をやめにくい状況でも大変頼りになりますよ。
\頼りになる転職サイト/
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登録すれば医師賠償責任保険も入れるので、「うっかり保険に入り忘れた!」も防げます!
\ 医師賠償責任保険も入れて安心 /
まとめ:医師の将来性ないなら…努力次第で変えられる!
今回は医師の将来性が今後なくなる理由や、稼げなくなる前にやるべき行動について解説していきました。
- 将来性がないと言われる原因は医師の手取り報酬が減少傾向にあるから
- 今後の選択を自由にするためにもバイトをして貯蓄を増やしておこう
- 将来を考えるなら今後の働き方について見直すことも大切
- 働き方を見直したら目標を明確に立てる
- 目標達成のために必要な知識やスキルを習得する
- 後悔のない選択をするために、さまざまな働き方を比較・検討する
働き方が多様化している影響から、医師の努力次第で将来性が左右されます。
豊かな暮らしができるかは、あなたの選択にかかっていると言える時代なのです。
だからこそ、選択は自由だと忘れないでください。
後悔のない歩みができるように、視野を広く持っていきましょう!