今の医局から離れることってできるかな…
医局を変えて働きたい
医局から離れることを考えても、周りの目を気にして動けないときがあります。
将来のリスクを天秤にかけ、次の行動に移れないケースも。
では実際に、医局を変えて働くことはできないのでしょうか。
この記事では医局を変えることは可能なのか、変える場合の注意点について解説していきます。
この記事を読めば、今の医局を円満に辞められる方法も知ることができますよ。
ぜひ最後までご覧ください
＼医局を変える前に他の働き方も見ておこう／
医局を変えることは可能？
そもそも、医局を変えること自体はできるの？
まず結論として医局を変えること自体は可能です。
ただし、かなり難しいと思ってください。
- 元の医局にとってライバルとなってしまうから
- 受け入れた医局側が扱いに困るから
- 医局員の派遣先に困るから
憲法22条では「職業選択の自由」が定められているため、法律上では自分の好きな就職先を選ぶことが可能です。
しかし一般社会ではライバル社への転職はNGとされる「競業避止義務契約」があります。
ライバル会社の顧客奪取や技術流出を防ぎ、会社に不利益が発生しないようにするためです。
競業避止義務契約の有効性について
在職中の競業行為が認められないことはもちろんだが、退職後について競業避止義務を
引用元：経済産業省「競業避止義務契約の有効性について」より
課すことについては、職業選択の自由を侵害し得ること等から、制限的に解されているこ
とは事実である。この点、古い判例ながら今日においてもしばしば参照されている判例（奈
良地判 S45.10.23）は競業避止義務契約について、「債権者の利益、債務者の不利益及び社
会的利害に立って、制限期間、場所的職種的範囲、代償の有無を検討し、合理的範囲にお
いて有効」であるとしている。
つまり同業他社への転職はNGとされているのです。
医師も同じく、医局を変えることはあまり良い印象は抱かれません。
医局の所属が変わっても、必然的に学会や勉強会で鉢合わせる可能性が高く、トラブルに発展してしまうこともあります。
所属してた医局に無関係な病院で勤務だけすれば解決できるんじゃ？
もちろんできる限り元の医局と離れて働くことはできます。
ただし医療業界は狭いので、何らかのきっかけで元医局員と鉢合わせてしまうことも。
医局同士のトラブルは避けたいため、医局側が派遣先で頭を悩ませてしまいます。
やむを得ない事情以外では、医局を変えることは基本難しいと認識しておきましょう。
結婚や出産といった家族の理由なら普通に認められるよ
医局を辞める場合の理由
医局から離れるために、退局してフリーの医師として働く人もいます。
医局を辞める主な理由は、次の通りです。
- 人間関係に嫌気がさした
- 医局人事に疲れてしまった
- 薄給で生活が苦しかった
医局にはさまざまな医師が所属しているため、上下関係が厳しくなっています。
加えて市中病院よりも人間関係が複雑になっており、医局内で派閥ができているケースも。
医局員同士で気を遣う場面が多く、嫌気がさして退局する医師は少なくありません。
また、毎年の医局人事に疲れて辞める医局員もいます。
医局人事には引っ越しが必要となるケースがあり、時には家族を巻き込むことも。
度重なる地方への赴任が、退局の原因になる場合もあります。
薄給や無給で生活が苦しく、辞めてしまう人も。
外勤でお給料は補填できるのに、どうして辞めるの？
大学病院と比べ、市中病院の方がカンファレンスやオンコールの時間も含め、適正な報酬が支払われます。
同じ業務量でも、市中病院の給料の方が良いケースが多いのです。
辞める理由をよく理解して、医局を変えるべきか、退局すべきか判断する材料にしましょう！
医局を変える場合の理由
医局を変える場合の理由は、主に次の4つが挙げられます。
ここから詳しく解説していきます。
当てはまるものがないか、しっかり確認していきましょう！
今いる人間関係から解放されたい
医局内の人間関係は、市中病院と比べて閉鎖的です。
昭和的考えの医師が多く、上下関係が非常に厳しい部分があります。
勉強させてあげているんだから、若手はもっと働くべき。
言われなくても、土日の回診に来るのは当たり前。
医局には研究や資格取得に最適な環境が揃っているため、「学ばせてやっている感」が強いです。
お礼奉公を強要される風潮があり、同調圧力に嫌気がさして人間関係から逃げたくなることも。
ただし、素直に理由を話すと医局を変えることを認めて貰えません。
医局とギクシャクしてしまう原因になるので、ネガティブな発言は避けましょう。
有名な先生のもとで働きたい
〇〇科の▲▲先生のもとで修業したい！
権威性のある医師のもとで働くために、医局を変えたいと感じるケースがあります。
自分の求める先生が別の医局に居る場合は、同じ医局に属さなければ教えを乞うことができないからです。
じゃあ、最初からその先生のいる医局に入れば良かったのでは？
資格取得の勉強や研究をしていく中で、医局員の興味や関心が変わるのはよくあることです。
学びたい意欲は大切ですが、今の医局を悪く言わないことが何よりも重要になります。
うっかり医局の悪口を言ってしまうと、噂が流れて変えさせてもらえなくなることも。
今の医局にも感謝している、という姿勢を忘れずにしましょう！
専門医・サブスペシャリティ資格の勉強を続けたい
専門医・サブスペシャリティ資格の勉強を続けたいのも、医局を変えたくなる理由のひとつです。
医局の規模によって学べる領域が限られ、専門性の高い知識や経験を得るのが難しい場合があります。
特に若手医師の場合、なるべく大きな病院で経験を得たいと感じることも少なくありません。
基本的にどの医局にも学べる環境はありますが、医局を変えた方が早いと思ってしまうことも。
今の医局でできることを、しっかりやってから次に進みましょう！
結婚、出産、引っ越し等で働く場所が変わる
医局を変える際、最も多い理由のひとつがライフイベントに関わることです。
結婚、出産、引っ越し等で働く場所が変わるのは、当たり前のこと。
新しく住む土地に関連病院がなければ、医局を変える他はありません。
また結婚や出産などで医局が変わることは祝福されることが多く、非難を受けることもないです。
円満な関係を保ったまま、新しい医局へ送り出してもらえます。
自信をもって、しっかり理由を伝えよう！
医局を変える具体的な方法
医局を変える具体的な方法には、次の3つがあります。
ここから詳しく解説していきます。
教授と話す機会を設ける
まず、教授と話す機会を設けましょう。
ただし、大前提として教授と直接話すのは難しい場合が多いです。
医局側は医局員を手放したくない傾向が強く、教授と会う=退局などの事情があると考えられるケースも。
しかし結婚や出産など、ライフイベントに関わる理由であれば別です。
結婚や出産は祝福されることのため、教授が新しい医局へコンタクトを取ってくれることがあります。
教授から次の医局へ繋げてもらえる場合には、素直に感謝して手続きをお願いしましょう。
人脈をフル活用する
医局を変える方法のひとつとして、人脈をフル活用することが挙げられます。
医局に所属する医師は多く、医局員同士の横の繋がりは幅が広いです。
今までの経験や実績から積み上げた信頼関係もあり、人脈を網羅すれば次の医局に繋がる糸口があります。
ただし、人脈を活用する際には細心の注意を払っていきましょう。
医局を変えることに対して、消極的な考えを持っている人もいます。
誰かから情報が洩れてしまい、医局と揉める可能性も。
最悪の場合、受け入れ先の新しい医局が見つからなくなる場合があります。
医局フリーの働き方も視野に入れる
医局を変える際、他の選択肢も視野に入れておくことがおすすめです。
変えることにフォーカスしすぎて、本来の目的を忘れてしまうこともあります。
また、医局に入っていないと働けないということは全くありません。
専門医取得後の医師6年目以降であれば、充分フリーランスで活躍できます。
ある程度の経験と知識があれば、どこの病院でも採用してくれるのです。
転職サイトなら病院の情報を一覧で見ることができるので、目的に合った病院を探せます。
今後を比較検討するためにも役に立つので、事前に登録しておくと便利です。
医局を変えるメリット
医局を変えるメリットは、次の通りです。
ここから詳しく見ていきましょう。
コミュニティが広がる
まずコミュニティが広がることが、医局を変えるメリットになります。
新しい出会いから人脈が広がり、医局内の雰囲気が良い方向に変わる可能性があるのです。
土日はしっかり休んでね
患者さんは交代で診ていこうね
当たり前だったサービス残業がなくなり、昭和的な風潮がない働き方が生まれます。
労働の強要がされなくなり、資格勉強にも集中できるようになるケースも。
新しい自分の可能性が見つけられるチャンスにも繋がります！
良好なコミュニティが広がることで、自分らしく働けるきっかけにもなります。
経験が積める
医局ごとに、得意とする分野や強みは異なります。
経験できる領域や症例が増えるため、医局を変えることによってより豊富な臨床経験を積むことが可能です。
また、各医局で良好な関係を築いていれば、今後のキャリアの相談もよりしやすくなります。
ただし、医局は複雑な人間関係の上で成り立っています。
より気を遣う場面が増える可能性は、視野に入れておくことがおすすめです。
新しい環境で働ける
環境を一新した状態で働けるのも、医局を変えるメリットになります。
医局を変えることで一新される環境
- 働く病院や大学
- 学べる診療科や領域
- 業務量（働く時間数）
- 関わりを持つ症例やコメディカル
環境が新しくなることで、新しく気づきを得ることも増えます。
興味の薄かった分野に対して知識欲が出て来たり、もともと学んでいたことに対してより深い理解を得たり。
また人間関係が新しくなることで、個人が抱える業務量や働く時間が変わってくることも。
多様性のある環境に身を置いて、自分をより高められる可能性が広がるのです。
優遇されるケースがある
医局を変えることで、優遇される医師もいます。
優遇される医師の特徴
- 前の医局で役職についている
- ある程度の知識、スキルを持っている
- 専門性の高い分野を教えられる
准教授、講師、助教授などの役職を経験していた場合、新しい医局で同じポストに就ける可能性があります。
スキルの証明ができるため、新しい医局でも能力を活かした活躍ができると判断されるからです。
また専門医資格を保有し、知識や経験がある医師も優遇されやすくなります。
医局を変えるデメリット
医局を変えるとき、次の3つのデメリットがあります。
今後を左右する可能性があるので、しっかり見ていこう！
新しい医局のローカルルールに合わせる必要がある
今いる医局にローカルルールがあるように、新しい医局でも必ずルールは存在します。
前の医局の人事は平等だったのに、今の人事は出身大学によって優先度が下げられる
医局旅行、行きたくないのに強制参加と言われた…
医局によってルールが異なり、前の医局と比べて逆に疲れてしまう可能性もあります。
- 医局人事の優先度
- 医局行事への強制参加（医局旅行など）
- 論文執筆や研究の勧誘
事前にローカルルールの内容を確認できそうであれば、調べておくことがおすすめです。
せっかく変わったのにと後悔しないよう、前もって準備していきましょう。
医局制度が合わない場合がある
ローカルルールの他にも、医局制度が肌に合わない場合があります。
医局ごとに制度は設けられていますが、根本的な部分は同じことがほとんど。
自分にとって医局制度が合わないと感じるのであれば、医局を変えても悩んでしまう原因になります。
医局を変えるか悩む場合は、必ず医局制度にも目を向けましょう。
医局を辞めてフリーで働くことも視野に入れながら、じっくりと検討するのがおすすめです。
以前所属していた医局が疎遠になる
今いる医局を離れる際、喧嘩別れのようになってはいけません。
医局の数には限りがあり、学会などで教授同士が顔を合わせることはよくあります。
万が一喧嘩別れをしてしまうと、新しい医局でも医局員の扱いに困ることが。
また、以前まで所属していた医局からも良く思われず、肩身の狭い思いをする可能性が出てきます。
医局を変わるなら、必ず円満退局を目指しましょう！
今いる医局を円満退局するためのコツ
今いる医局を円満退局するためには、3つのコツを押さえる必要があります。
良好な関係を保ったまま、次の医局に行けるようにしましょう。
前もって上司に相談する
円満退局するためには、前もって上司に相談することが大切です。
突然「今日辞めます！」と言っても、聞き入れてもらえることはほぼありません。
必ず前もって上司の予定を聞き、アポイントメントを取った上で相談していきましょう。
万が一いきなり辞めると、非難殺到であなたの立場がなくなります。
医局を変えることができなくなるケースも充分に考えられるので、慎重な行動をしてください。
中々予定が合わなくても、根気強く調整しましょう！
ポジティブな理由を用意しておく
医局を変える場合には、なるべくポジティブな理由を用意しましょう。
- 結婚や出産で引っ越したい
- 癌研究の権威である〇〇先生のもとで勉強がしたい
- 留学を考えているので海外と結びつきの強い〇〇医局に入りたい
医局を変える場合には、結婚・出産などの祝福される事情であればスムーズに手続きをしてもらえます。
教授が新しい医局へ取り次いでくれるケースもあるので、紹介してもらえる場合は素直に感謝しましょう。
また、医局ごとに得意とする診療科や分野は異なります。
さらに症例に対する経験や知識を深めたい場合にも、ポジティブな理由と受け取ってもらえます。
しかし、「医局が嫌だから」という理由は通用しません。
医局を変えることは基本は避けられており、ネガティブな理由はトラブルの引き金にしかならないです。
円満に離れるためには、マイナスな印象を持たれないようにしましょう！
あくまで感謝の姿勢を忘れない
円満な退局には、感謝の気持ちが必要不可欠です。
医局は昭和的な考えが強く、あくまでも「面倒を見てやった」という意識があります。
そして、曲がりなりにも育ててくれた医局です。
自分の心はどうであれ、必ず感謝しているという姿勢は見せていきましょう。
新しい医局に対しても同じで、所属させて貰えてありがたいという気持ちを必ず伝えてください。
充分に慎重な行動を心がけ、丁寧な対応に徹していきましょう。
医局を変える時の注意点
医局を変える注意点には、次の3つが挙げられます。
ここから分かりやすく解説してきます。
ポイントをしっかり押さえて、丁寧な対応をしていこう！
自分に合った医局か必ず確認する
医局を変える前に、必ず自分に合った医局であるか確認するようにしましょう。
医局にはそれぞれ医局制度があり、医局内にはローカルルールが存在します。
特にローカルルールは医局独自の内容になっていることもあり、入局後に後悔する理由のひとつ。
入局前にルールの確認ができそうであれば、必ず話を聞いておきましょう。
もし合わないと感じたら、医局フリーで働くことを検討していくことがおすすめです。
退局した医局、新しく入る医局に敬意を払う
退局した医局、新しく入る医局の双方に敬意を払いましょう。
どうせ辞める医局だからなぁ…。
退局する医局だからと言って、ぞんざいに扱うことはNGです。
医局の数には限りがあり、医局員同士のネットワークは想像以上に広くなっています。
医局幹部が顔見知りのケースも多く、あなたの態度ひとつで簡単に信用を失うケースも。
また、どちらかの悪口を言うと双方に伝わる可能性が高いです。
双方の医局に対して、感謝を伝える姿勢を見せていきましょう。
揉めない様に慎重に行動する
手続き期間中は、揉めないように慎重な行動をしていきましょう。
通常業務に加えて、退局の手続きや新しい医局への挨拶など同時進行するケースがあります。
ひとつでも手続きを忘れると、思わぬところで衝突の原因に。
特にダブルブッキングなどには充分に気を付けましょう。
また通常の診療をおろそかにすると、周りの医師からも非難を受けます。
スムーズな退局のために、スケジュール管理は確実に行っていくことが大切です。
結婚や出産以外の理由で医局を変えることは、難しいことを忘れないでください。
あなたの行動ひとつが、医局全体の信用を揺るがす可能性もあるのです。
【医局変える】失敗した時のために他の選択肢も見ておく
医局を変えること自体は可能ですが、一般的には受け入れられにくいケースがほとんどです。
また無事に医局を変えられても、肌に合わずに辞めたくなる可能性も。
加えて前に所属していた医局に戻りたいと思っても、戻れないケースもあります。
だからこそ事前に、転職サイトでどんな病院で働けそうかを理解しておくのがおすすめです。
病院の情報を見ておくことで、いざ医局から離れたくなった時も安心して次の働き口をみつけられます。
医局に依存しない働き方を知っておくだけで、いざという時に自分の助けになります。
まずは登録だけでもしておきましょう！
医師転職ドットコム
なんといってもおすすめは医師転職ドットコムです。
その理由は求人数がダントツ多いから。
常に３万件以上の求人と１万件以上の非公開求人を持っています。
エージェントさんの質も高く、とても親身になって相談にのってくれます。
ここだけの話、他の転職サイトでは断られてしまうような相談にも親身になってのってくれます。
相当難しい条件の転職や相当医局をやめにくい状況でも大変頼りになりますよ。
＼頼りになる転職サイト／
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登録すれば医師賠償責任保険も入れるので、「うっかり保険に入り忘れた！」も防げます！
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まとめ：医局を変えることは可能！ただし慎重な判断を
この記事では医局の変えること自体は可能なのか、変えられる場合の注意点について解説しました。
- 医局を変えること自体は可能ではある
- 結婚や出産なら非難されることはない
- 医局を変えられたとしても、医局側が扱いに困るケースがある
- 円満なやりとりができないと生涯肩身の狭い思いをする
- 変えるときには双方の医局に敬意と感謝を忘れない
- 慎重に行動して最大限トラブルには注意する
医局を変えること自体はできますが、リスク面に配慮した慎重な行動が必要です。
基本的には受け入れられないということを念頭に置いて、医局に対する感謝は忘れずに行動していきましょう。
あなたの選択が今後の医師人生にとってプラスに働くように、心から応援しています。