医局から離れたいけど、リスクはあるのかな
辞めるタイミングを見失ってる気がする…
医局を離れたいと感じたとき、どう辞めれば良いか迷うことがありますよね。
中には退局のタイミングを逃したと思い込み、そのまま働き続ける医師もいます。
では実際に医局を辞めたいと思ったとき、どのような手順で辞めるのが一番良いのでしょうか。
この記事では医局を辞める主な理由や、具体的な辞め方・辞めるタイミングについて詳しく解説します。
この記事を読めば、失敗しない退局意思の伝え方や円満退局のコツも知ることができますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
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医局を辞める主な理由は?医局員の事情を公開!
医局を辞める主な理由は、次の3種類に分けられます。
ここから詳しく見ていきましょう。
ライフイベントによる事情
ライフイベントによる事情は、医局を辞める大きな理由のひとつです。
特に女性医師の場合だと結婚、出産、子育てなどのライフイベントから、働き続けるのが難しくなるケースも。
結婚で引っ越しを伴う場合などは、医局を離れる一番の理由になります。
また、医局での診療業務が日常を圧迫し、子育てに注力できない医師は少なくありません。
自分の仕事と両立が図れず、退局を選ぶ医師がいるのです。
プライベートとの両立は、なかなか難しいよね…。
派閥争いなどの人間関係による事情
派閥争いなどの人間関係による事情も、退局を選ぶ理由となります。
医局内は人間関係が限られており、医局員同士の派閥争いや出世争いがおこりやすい環境となっています。
特に若手医師は巻き添えになるケースが多く、疲弊して医局を去ることも。
適度な距離感で付き合うことが苦手な人だと、更にストレスを抱えて病むケースもあります。
医局とは良好な関係でいたいけど、職場環境が合わないとつらいよね
長い時間を過ごす場のため、肌に合わなければ退局を選ぶ人も少なくないようです。
医局人事による事情
退局を選ぶ理由には、医局人事による事情があります。
人事が大変だ…!
医局人事は毎年10月に希望調査が行われ、12月には新しい赴任先が発表されます。
希望調査は第5希望まで行きたい病院を申告できますが、希望が通らないことも。
中には3年で6回の引っ越しを経験した医局員もおり、特に若手が僻地に飛ばされるケースが多いです。
引っ越し費用も自己負担で、全然貯金できない…!
医局は薄給もしくは無給となるケースもあり、医局を去る若手は少なくありません。
医局を辞めるタイミングは?最適な時期は3パターン!
医局を辞めるベストなタイミングは、次の通りです。
それぞれについて、分かりやすく解説します。
後期研修ドロップアウト時
後期研修のドロップアウト時に、医局を辞める医師もいます。
初期研修で経験を積む中で、医局での働き方が合わないと感じた場合に多いタイミングです。
また研修中にやりたいこと・興味のある分野に変化があり、より専門性の高い病院へ転職することも。
医局ごとに得意な診療科が違うから、別の医局に変わることもあるよ!
「新しいスキルを身に付けるなら」と、早い段階で就職先を変わろうとする人をもいるようです。
専門医資格取得後
医局を辞めるタイミングとして、最もベストなタイミングは専門医資格取得後とされています。
専門医資格を持っていれば、スキルの証明になり転職に有利に働くからです。
また、「せっかく医局に入ったなら…」と環境の揃っている医局で資格を取り切ってしまうパターンも。
転職後、病院によっては資格が取りにくくなることがあるよ!
今後のキャリアと比較し、資格だけ取ってから辞めるか否かは考えるようにしましょう。
お礼奉公終了後
医局には昭和的な風習が根強く残っています。
お礼奉公も暗黙のルールのひとつで、専門医資格を取得したお礼に働くといった内容です。
資格を取らせてやった
経験を積ませてやった
あくまでも医局は、「してやった」という姿勢を見せてきます。
お礼奉公が終了すれば、退局時に揉めることはほとんどありません。
しかしお礼奉公期間、大学病院勤務の場合はほとんど薄給もしくは無給となります。
医局と揉めずに良好な関係を続けたい場合には、お礼奉公終了後の退局が望ましいでしょう。
医局を辞めるメリットとデメリット
医局を辞めるときのメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
それぞれについて、ここから解説していきます。
医局を辞めるメリット
医局を辞めるメリットには、次の6つに分かれます。
- 好きな土地で働ける
- コミュニティで悩むことが減る
- 薄給・無給状態から解放される
- 働き方を選べる
- プライベートを充実させられる
- 余裕を持って診療業務ができる
メリットとしては、医局人事に縛られず好きな場所で働けることが挙げられます。
人事によってどこの病院に飛ばされ誰が上司になるか悩むケースも減り、派閥争いなどに巻き込まれることも減るでしょう。
また働き方を自分で選択できるので、医局に所属していたころよりも高収入に恵まれやすいです。
私生活とのメリハリをつけることもでき、余裕を持って診療業務に従事することも可能となります。
ライフイベントに合わせた働き方もできるね!
医療ミスへの不安も軽減されるため、患者さんと向き合う時間も確保できます。
医局を辞めるデメリット
医局を辞めるデメリットは、次の通りです。
- 臨床研究や資格取得が困難になる
- 症例に出会う機会が減る
- 繋がりのあった医局員の関係性がなくなる
- 大学院進学や海外留学が厳しくなる
- 昇進がしにくくなる
- 働き口が限られる場合もある
医局を辞める大きなデメリットは、臨床研究や資格取得が困難になる点です。
医局には経験を積める環境が揃っているため、資格取得に必要な条件を満たしやすくなっています。
転職後に同等の設備が揃った病院を見つけるのは難しく、時には資格取得を断念するケースも。
また、やりたかった症例に出会う機会が減ることも懸念されています。
医局員同士の繋がりがなくなり、大学院への進学や海外留学を考えている医師にとっては不利になることも。
転職先によっては昇進が難しくなり、出世しにくくなることもあるよ
今後の自分にとって、退局以外の選択が必要となる場合もあります。
客観的な目線で、必ず辞める判断をしていきましょう。
【メール例付】医局を辞める方法と切り出し方は?5ステップで解説!
医局を辞めるときの手続きは、次の5種類があります。
それぞれの手続きのポイントについて、ここから解説していきます。
退局の意思を固める
まずは今の自分にとって、退局がベストな選択かを検討しましょう。
退局したい気持ちが強いと、辞めることにばかり注力しがちです。
辞めたあとに後悔しないために、必ず今後のキャリアは見直してみましょう。
見直すポイントとしては、次の通りです。
今後のキャリアで見直すポイント
- どんな勤務体制がいいか
- 取りたい資格はあるか
- 休日の取り方やオンコール対応などの有無
- 何を優先していきたいか
目指すキャリアが定まれば、必要な選択がおのずと見えてきます。
すぐに退局するべきか否かも、確認することができるでしょう。
いざ退局の意思を伝えるときに、迷うことなく伝えられるきっかけにも。
選択はひとつではないと考えて、自分の可能性を信じていきましょう。
教授に退局したい気持ちを伝える
退局の意思が固まったら、教授に退局の気持ちを伝えましょう。
可能であれば直接話すのがいいですが、難しい場合はメールでの相談も可能です。
直接伝える場合は、予め話す予定をつけておくと良いでしょう。
忙しい中で慌てて伝えると、聞いていないなどの認識の齟齬を生む原因にもなります。
必ず事前に日程を決めて、相談するようにしましょう。
また、メールをする場合には次の例文を活用してください。
\メール例/
”〇〇教授様
大変お世話になっております。
◎◎病院で勤めております▲▲ ▲▲と申します。
突然のご連絡で申し訳ありません。
私事で大変恐縮なのですが、折り入ってご相談したいことがございます。
つきましては、〇/〇までにお時間を頂戴することは可能でしょうか。
お手数おかけし申し訳ございませんが、ご検討のほどよろしくお願い致します。”
実際に会って話すときは、必ずストレートに退局の旨を伝えましょう。
医局を辞めるタイミングの相談をする
退局の意思を申告できたら、自分がいつ頃辞めようと考えているかを伝えましょう。
伝えるときには、必ず今後の予定を含めた内容を話すようにしてください。
辞めるタイミングを伝える際に併せて相談する内容
- 辞めようと思っている具体的な時期
- 仕事を引き継ぐのに必要な期間
- 医局側の今後の都合や予定
辞めようと思っている具体的な時期は、必ず伝えるようにしましょう。
できれば年度末の3月の退局が好ましいです。
4月から新しい体制で働くため、3月末の退局がベストなタイミングだと言えます。
また、辞める相談は必ず医局人事の前を狙うようにしてください。
医局人事の希望調査が行われる直前だと、医局内が慌ただしく取り合って貰えない可能性があります。
必ず医局側の今後の都合や予定を確認して、すり合わせを行いましょう。
退局までに業務の引継ぎを行う
具体的な辞める時期が決められたら、引継ぎ業務を行います。
大前提として、業務の引継ぎには3カ月は余裕を持っておくのがおすすめです。
1月~3月中に引継ぎが完了する予定を組めば、スムーズな退局ができるでしょう。
1ヶ月弱で引継ぎを完了できるかもしれませんが、対応の漏れがあったときに困るのは現場のスタッフです。
周りのことも考えて、丁寧な引継ぎを心がけましょう。
また余裕をもって引継ぎ業務を行うことで、後任の医師も仕事がしやすくなります。
医局との関係を崩さないためにも、引継ぎはしっかりと行いましょう。
転職活動を開始する
もし可能であれば、退局の医師前に転職活動をしておくことがおすすめです。
次の病院が決まっていると、医局側も辞めることを認めざるを得なくなります。
一方で就職先が決まっていないと、引き止めに遭う可能性も。
また、退局後の転職活動では「無職の期間」があると、就職に不利に働くことがあります。
7~9月ごろには活動を始め、次の就職先を決められるようにしましょう!
ただ、どうしても今すぐ医局を辞めたい場合もあるかもしれません。
すぐに退局をしたい場合は、医局と揉めないことを最優先に考えながら離職していきましょう。
加えて退局後の就職活動で、医局の悪口を言うのはNGです。
前職の悪口を言うと、同じような理由で辞められたら困ると捉えられます。
必ず離職理由はポジティブな理由を用意していきましょう。
【体験談】医局を辞める人はどう感じた?辞めて良かった事例2つ!
ここでは、医局を辞めて良かった事例を2つ紹介します。
退局して生活がどう変わったのかも、併せて解説していきます。
事例1:プライベートの時間を作れるようになった
”私のいた医局では、時間外労働が当たり前でした。
無給だったため外勤をしなければならなかったのですが、当直明けのタイミングでしか予定を入れられず…。
研鑽になるからという理由でしたが、環境が悪すぎて専門医資格を取得したタイミングで退局しました。
今思えば劣悪な環境だったとしか考えられません。
他の大学医局と比べても、私のいた医局は特にひどかったと思います。
今はあの労働環境から抜け出せて、自分の時間もしっかり確保できています。
勇気を出して辞めて良かったと、心から思っています。(外科 男性)”
医局を辞めることによって、時間に余裕が持てるようになった成功例です。
医局には、どこよりも資格取得に有利な環境が揃っています。
学べる環境があるが故に、取得を目指す医師のほとんどが無給でも働かざるを得ないのです。
お給料を貰いながら、やりたいことも出来るようになるね!
結果的にキャリアアップに繋がり、自分の可能性を広げられたとも言えます。
医局を辞めるときは、今後に余裕が持てるかどうかも視野に入れていきましょう!
事例2:何度も引っ越さなくて済むようになった
”医局人事で何度も引っ越さなければならず、限界を感じて辞めました。
2年に1回~2回の引っ越しがあり、人事の発表の度に不安に襲われる生活をしていました。
人事によっては子供たちと離れて暮らさなければならず…。
誰がどこを希望したかなど、探り合いが起きていたこともストレスでした。
今は自分の好きな場所で働けるので、本当に辞めて良かったです。(内科 男性)”
医局を辞めたことで、子どもとの時間を確実に取れるようになったそうです。
医局人事は、誰であっても拒否することが出来ません。
時には家族を巻き込まなければならず、ストレスを感じる医師も。
子育てにも配慮した環境を、自ら作ることもできるよ!
家族の負担も視野に入れて、医局との付き合い方は検討していきましょう。
医局を辞めるとき注意点は?揉めないポイント4つ!
医局を辞めるとき注意すべきポイントは、次の通りです。
ここから詳しく解説します。
退局意思ははっきり伝える
医局を辞めるとき、退局意思ははっきり伝えるようにしましょう。
迷うそぶりを見せると、気持ちを疑われてしまいます。
本当は辞めたくないのかな
医局で解消できる悩みじゃないか
退局の理由に疑問を持たれると、引き止められる原因にもなります。
意見が衝突してトラブルに発展する可能性もあるため、必ず意思を固めてから伝えるようにしてください。
はっきりと伝えることで、円満退局を目指すことができます。
ネガティブな退局理由はNGだと思っておく
ネガティブな退局理由はNGであると、認識しておきましょう。
ネガティブな退局理由の例
- 医局での労働環境が嫌
- 〇〇先生と一緒に働きたくない
- ▲▲病院に行きたくない
例え本当の理由であっても、マイナスな印象を与える理由は言わないことをおすすめします。
医局と揉める原因になり、最悪の場合辞めさせて貰えない可能性も。
理想的な理由としては、結婚や出産、育児の関係で現職を離れるなどが挙げられます。
また、今の医局では学べないスキルがあるなど、スキルアップを予想させる理由も用意しておきましょう。
医局は各地にあるので、退局理由で揉めると厄介だよ。
転職先を探すときは入念な情報収集を行う
転職先を探すときも、情報収集を行う上で注意が必要です。
早く医局を辞めたいがために、焦って転職先を決めると後悔する原因に。
人間関係が酷い病院に就職しちゃった
やりたいことができない…まだ医局に居た方がマシだった…
必ず転職先を探すときは、入念な情報収集を心がけましょう。
ただし、医局に所属したまま転職活動を行うのは、時間的余裕がなくて困難だと感じることも。
もし心の余裕もなくなりそうであれば、転職エージェントをうまく活用していきましょう。
転職エージェントは、あなたに合う就職先を斡旋し、病院とあなたを繋げるきっかけを作ってくれます。
面倒な情報収集や面談日程の調整などを一手に行ってくれるので、診療業務の傍らでも充分な転職活動が可能に。
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マナーを守って節度のある対応を心がける
退局の意思を伝えるときなど、マナーを守って節度のある対応をしましょう。
退局する身だし…今後なんて関係ないよね
いずれ去るからと、適当な態度で手続きを進めるのは危険です。
医局は各地に関連病院を持ち、転職先に医局員がいることも珍しくありません。
少しでも医局に不信感を与えてしまうと、その後の医師人生が大きく変わってしまうことも。
症例の紹介が拒否されたり、紹介できてもぞんざいに扱われるケースがあります。
必ず今後の自分のためを思って、丁寧な対応を心がけましょう。
医局を辞めても困らないためには?働き方を知っておこう!
辞めたあと、困ったりしないかな…?
現状に不満があっても、将来が心配で退局ができない人は少なくありません。
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他院の情報を見れば、今の自分の環境を客観的に比較することができます。
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まとめ:医局を辞めるためには事前準備が大切!
今回は医局を辞める方法や注意点、退局のタイミングやマナーについて解説していきました。
- 医局を辞める理由には、ライフイベントが深く関わっている
- 人間関係や医局人事に疲れて退局するケースもある
- 退局の意思を伝えるときはハッキリつたえる
- 退局時期は医局人事前の10月がベスト
- 今後のキャリアを考えて最善の選択をしよう
医局を辞める際のは、勇気のいる選択です。
時には本当に退局して良いのか悩み、ずるずると所属し続ける医師もいます。
キャリアも大切ですが、人生にとって一番大切なのはあなた自身です。
後悔しない選択ができるよう、心から応援しています。